「こ、こんなに露出してるドレスを着ないといけないの?」
「うん。あんたにはお似合いじゃない?まー、胸は可哀想だけど」
カッチーン、どっかの線が切れた音がした。
こんなドレス。着こなしてやるよ。
「ちょっとまってて。」
更衣室に入りドレスを着る。
案の定露出度は高いが悪くは無い。
胸がきつくて谷間がすごく見えるけどまーいいっか。
メガネと髪の毛を外しメイクを始める。
白色のドレスになっているため赤系の茶色のアイシャドウをアイホールに入れ赤のアイシャドウを薄くのせる。
目の際には黒のアイシャドウで枠をとり目の下にクリーム上の赤黒いアイシャドウを塗る。
口紅は真っ赤なものを使い、チークはあえて使わない。
シルバーに光るネックレスをつけて、髪型は編み込みに一つにまとめた。
靴は近くにあったヒールを借りて全身鏡で最終チェックをする。
「前髪が邪魔かな?」
ふわりとかきあげ、スプレーでかためて、最後にボディークリームを塗って完成。
「我ながらいいかも」
テーマは"雪女"。
さっきの意気込みは消え、久々に着る女の子のドレスに恥ずかしさが芽生え更衣室のドアの前でモジモジしていると待ちきれなくなった女子たちがドアノブに手を付ける。
「はーやーく。誰もあんたのこと期待してないから」
「それ言い過ぎでしょー」
「まー本当のことだけどね」
勢いよくドアが開かれ渋々1歩を踏み出すと、教室の音が消えてしまった。



