そう。その子の通う学校はほかの学校とは少し違っている。







通称「アイドル学校」とも言われている。










芸能人が多く、校門前にはファンが集まるほどだ。












そんなことを言っているあいだに準備は整い姿見で自分を見てみると。














「うん、地味だ」











黒いメガネに、膝下のスカート。









丈は最大限に伸ばして前髪は目を隠すほど長い。








真っ黒な髪は後ろで綺麗に結ぶ。





いわゆる地味女だ。










ローファーを履き今日も平和な学校生活を送りに行った。

















自称地味女という女の子は 橋本 ハルカ。








母親は日本とアメリカのハーフで父親は日本とフランスのハーフだ。







3カ国の血が入ったハルカは、目は青く肌は白くてとても可愛らしい顔をしているはずだった。









しかし、小さい頃に受けたいじめによりその顔はもう見れなくなってしまった。










そして笑顔さえも。










家に一緒に暮らしているのは、家政婦の 田中 昌美(タナカ マサミ)。








両親が海外で仕事をしているため、小さい時は身の回りのお世話だけを担当していたがハルカが、高校に入学した年から2人で暮らすようになった。








人あたりかよく、誰からも頼られる優しいおばさんだ。














家から約20分ほど歩いた所に学校はあり今日も多くのファンが集まっていた。







視線が集まる校門を足早に抜け、無駄に大きい校舎に入る。







生徒数は600人ほどおり、全国でも多い生徒数だ。







1学年6クラスあるため教室の数は多く、ハルカのクラスは2年5組だ。








移動手段としてエレベーターが数多くあるが、目立たないために毎日ハルカは階段を使っている。







おかげで足の筋トレになり、美脚を保っている。