「夜菜もー。なんでそんな地味子と行くの?」
「私の方がいいでしょ?」
うわー。こりゃー貶されてるわ。
自分でわかっていても、少しは傷つく。
静かにしゃがみ逃げると、後ろから大声で名前を呼ばれた。
「返事は!」
「無理です!」
逃げるかのように教室をあとにした。
はしって家まで帰ったため息切れがする。
深呼吸をしたあと玄関のドアを開けると知らない靴が置いてあった。
もしかして!
疲れを忘れてリビングに向かうとそこには大好きなお母さんとお父さんがいた。
「お母さん!お父さん!」
「おー、私の娘よ!ただいま」
「大きくなったな」
「どうしたの?仕事は?」
「ひと段落が着いたのよ。だから日本に短い間だけど帰ってきたの」
「そうなんだ」
「それよりハルカ。ドレスが必要だって言っていたけどなんに使うんだい?」
お母さんとお父さんに百香のことを全て話した。
すると2人はハルカ以上に熱がはいり、日曜の準備を一緒にしてくれるそうだ。
ハルカの母は、一流デザイナーとして活動し立ち上げるブランドの1番安い商品でも35万はする。
一方父は、コスメを扱う会社を経営し今では幅広い世代から人種まで人気を集めている。