「雷斗くん、済まないね」







「この子、あなたとひどい別れ方したっていっつも泣いてたの」








「え?」








「この子ね、すごく人見知りなのよ」







「だから彼氏が出来たと聞いた時はびっくりしたよ。でも、雷斗で良かったと思う。」







「そんな。」







「だから、毎日呼びかけてちょうだい。そしたらいつか起きるから」









それからは、ハルカが目を覚ますまでアメリカに滞在することにした。






家は、ハルカのご両親が止めてくださり、日本の仕事は全て夜菜に任せた。






1週間、1ヶ月、2ヶ月とたった。










「ハルカ、おはよう。今日もいい天気だぞ」








「……」








「俺さ今日夢見たんだけど、昔のハルカがでてきた。すっごく可愛かった」








「……」









「っ、お願いだから目、覚ませよ」








細くなったハルカの手をぎゅっと握る。









そんなことを毎日繰り返し、ハルカが入院してから約半年がたった。






いつものように、病室のカーテンを空け、ハルカの隣に座る。











「今日もいい天気だな。」









「……」









「あー、そうだ。昨日夜菜から連絡来たんだけど大変そうだったよ。だから早く目を覚ましてよ」








「……」










「っー。ハルカ、好きだよ」









チュッ。







いつもの様におでこにキスを落す。






すると握っていた手に、力がこもった。








「っ!ハルカ!!」









「んっ、ら、いと」








「そうだ!雷斗だ!ハルカー!」








直ぐに、コールボタンを押した。