「なに?」
「いや、お前っていつも弁当だよな」
「そうだけど」
「自分で作ってんの?」
「いや、家政婦さんが作ってる」
「家政婦!?お前金持ちなのか」
「別に。親が家にいないからお世話してもらってるだけ」
「ふーん」
「……もしかしてお昼それだけ?」
「そーだけど」
「もー、これあげるよ」
手渡したのは今日の朝買った、1日分の野菜ジュースだった。
雷斗は、一瞬驚いた顔をして野菜ジュースを見つめている。
「もしかして野菜苦手?それ、オレンジジュースみたいだから飲めると思うけど」
「お、おう。貰っていいのか?」



