梅咲君にはツノがある ~私、節王様と結婚します!~

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「こっちもすごい悪そうな気になってるね……」

「そうだね。高田さんは朋香や僕と親しいから、影響が強いのかもしれない」

 真央の家に着く前から、高田家の方角から嫌な気配を感じていた。

 悪霊とか怨霊というのがいるなら、たぶんこういう感じなのかもしれないという、肌にべっとりと粘り付くような空気。

 案の定、庭のケヤキの気はカビを通り越してどす黒い渦を巻いて私たちを出迎えた。

 先に到着していた田村君と真央とで、ケヤキの側に向かう。

「ケヤキさん、どんな感じよ?」
「悪い感じだねって、梅……ハルも言ってる」

 梅……ずっと梅咲君と呼んでいたから、せっかく呼び方を変えたのに間違えてしまう。