『好き』より先に、キミの『彼女』になりました。


***


「……こ、菜子」

「う、ん……?」


呼ばれた名前に、薄っすら目を開ける。

頭を乗せていた腕が軽く痺れて、頰のあたりが鈍く痛い。


未だボーッとする頭で、むくりと上半身を起こしてみれば、目の前には頬杖をついてスマホを弄る茜ちゃん。


「もうすぐ昼休憩終わるよー」


横目であたしを見ながら、言われた言葉に今の状況を思い出す。


……そうだ。ここは教室で、今は昼休憩。

お弁当を食べ終わったあたしは、猛烈な睡魔に襲われて、少しだけ眠ることにしたんだった。

ほんの少し仮眠をとるくらいのつもりが、思った以上に熟睡してしまっていたらしい。


「大丈夫? 今日も部活なんでしょ? ちょっと頑張りすぎじゃない?」


「ふああ」と大きな欠伸をするあたしに、スマホを机の上に置いて心配そうな顔をして言う茜ちゃん。


あたしがマネージャー代理になってから、もうすぐ2週間。

先週の終わりに上山先輩はお休み期間に入って、それから一人でマネージャーの仕事をやっている。

まだまだ不慣れで大変なのは本当……だけど。