「じゃあそんなに遅くなんないように、ほどほどにする……けど、ひとつ約束させて」
約束……?
「帰りは絶対俺に家まで送らせて」
フッと口角を上げ、望くんに提案された言葉にキョトンとする。
「えっ、でも望くん家の方向逆でしょ? それこそ遅くなっちゃうよ?」
慌てて言うあたしを置き、望くんはまたくるっと進行方向へと向き直って。
「いーの。俺が菜子と一緒に帰りたいだけだから」
そう告げると、再びこっちを向いて……望くんは手のひらを差し出した。
「っ……」
トクンと、胸の奥が疼く。
もしかしたらあたしに気を遣っているのかもしれない。
でも、そんな言い方されたら、断れない。
それに……。
「……うん。あたしも一緒に帰りたい」
頷いて、望くんの手に自分の手のひらを重ねた。すると、望くんの温もりが伝わってきて。
何とも言えない恥ずかしさに、笑ってごまかそうと隣に立った望くんを見上げる……と、
「だから、あんまかわいいこと言うなって」
何故だか、望くんの方が顔を真っ赤にしていたんだ。



