……やっぱり、ちょっと怒ってるのかな。
学校を出て少し経ってからも、望くんは何も言ってくれない。
何となく気まずい雰囲気で、あたしも話さなきゃいけないことがあるのに、口を開けずにいる。
あたしのせいで自主練もできなかったし、嫌われちゃったかな……。
そう思うと胸の奥がチクンと痛んで、苦しい。
声をかけるのが怖くて、どうしようどうしよう……と、ぐるぐる迷っていると、
「……菜子?」
望くんに名前を呼ばれ、ハッとして顔を上げた。
すると、数歩先で望くんが不思議そうにこっちを見ていて……あたしは自分の足が止まっていたことにやっと気付いた。
「なんかあった? 疲れた? 大丈夫?」
「え、あ……」
近付いてきて、心配する声をかけてくれる望くんにホッとする。
嫌われてはない……のかな。
「ありがとう、大丈夫……」
「ならいいけど……なんかあったら言えよ?」
返事するあたしの顔を覗き込んで言う望くん。
そしてまた前を向こうとするけど、そのしシャツの裾を掴んで、引き止めた。



