「毎日ってわけじゃないけど、部活のある日はまぁ……このくらい。俺、中村みたくサッカーセンス良くないし、人一倍努力しないとレギュラーなんか夢のまた夢だから」

「……」


ハハッと軽く笑って言われた言葉。

だけどそれは、あたしの胸の深いところに引っかかる。


一瞬にして複雑な気持ちになったあたしに気付かず、


「じゃあ、また明日」


結城くんはそう微笑んで、あたしの頭の上にポンッと手のひらを乗せた。

触れられただけで、ドキンと鼓動が跳ねる。

真っ赤になる顔でコクンと頷くと、今度こそ結城くんは背を向けた。


『マネージャーのことは、姫乃が無理にやる必要はないから』……って、結城くんは言ってくれたけど。

遠ざかっていく背中を見ながら、決心する。


あたし、あたしは──。