『好き』より先に、キミの『彼女』になりました。



「高校生になったら、絶対彼氏つくるって決めてたの」


あたしも高校生になったら、誰かに恋して愛されて、キラキラな笑顔を振りまいて。

何も変わらないモノクロな毎日を、色鮮やかに充実させるんだ……って、ずっと思っていた。


それなのに……。


「マネージャーならいつでも募集してるからって、爽やかに言われちゃったよ……」


先輩の様子、あれは全く眼中になしだった。
彼女がいるのだから、仕方ないことだけど……。


「先輩が運命の人だと思ったのになぁー」

「菜子、それは……」


再びうなだれるあたしに、心配しているのか呆れているのか、どっちとも取れる表情で口を開いた茜ちゃん。

そして、何かを言おうとした……けれど、


「だったら、俺と付き合う?」


突然聞こえた声に、あたしも茜ちゃんも一旦固まった後、声のした方を見る。

それは、すぐ隣の席。あたしをじっと見つめるその人は、クラスメートの結城(ゆうき)くん。