「あ、そうだ! 茜ちゃん日曜って暇?一緒にあのパンケーキ……」

「ごめん」


あたしが言い終わらないうちに、茜ちゃんが謝る。


「日曜、記念日なんだよね」

「あー……そっかぁ」


そういえば前から聞いていた。
日曜日は彼氏さんとの記念日だから……。


「ランドに行くんだっけ? いいなぁー」


素直に羨ましいと思わずにはいられない。

テーマパークとまでは言わないけれど、あたしも結城くんと出掛けてみたい。


「菜子……」


無意識のうちに「はぁ」とため息をついたあたしに、心配そうに茜ちゃんが声をかけるから、


「あ、ごめん気にしないで! お土産楽しみにしてるねっ!」


あたしは慌てて笑顔をつくった。


記念日なら仕方ない。
今週末は家でのんびりしよう。

それか中学の時の友達でも遊びに誘ってみようかな……なんて、ぼんやり考えながら、お弁当を口に運んだ。