「だから同じ高校って知って、まさか同じクラスで、実はすげー嬉しかった」
あたしの反応なんて気にせず、話を続ける結城くん。
待って。それって、あたしのことをその中学の時から好きでいてくれたってこと……？
「……」
思いがけない結城くんの気持ちに、なんだろう……胸の奥がきゅーってする。
「ごめん、さすがに気持ち悪いかも」
「う、ううんっ……！」
困ったように笑った結城くんに、あたしは立ち上がってぶんぶんと首を横に振った。
「嬉しい、すごく嬉しい！」
自分のことをこんなに一途に想ってくれてた人がいたなんて……信じられない、嘘みたい。
あたしの返事にキョトンとしていた結城くんは、ちょっと安心したように微笑んだ。そして、
「姫乃は……」
ゆっくりと口を開いて、何かを告げようとする。
だけど、それを最後まで聞くことが出来なかったのは、あたし達の方にボールが転がってきたから。
