俺が好きで……って。
単純なあたしは、『好き』っていう言葉だけで赤くなる。
家の方向を聞かれたことで、せっかく言葉を交わせたのに、一歩遅れて歩くあたしは恥ずかしさから、また黙り込んでしまった。
そしてそのまま、大した話をすることもなく、家の近くまで来てしまっていた。
どうしよう……。
ブレザーのポケットへと手を忍ばせて、カサっと指にあたる紙の感触に焦る。
このままじゃ普通に家まで送られて、バイバイの流れになってしまう。
それは……いやだ。
「あ、あのっ、結城くん!」
「なに?」
「えっと……どこか寄っていかない?」
意を決して声をかけたあたしに、振り返ってくれた結城くんは目を丸くする。
「や、あの、結城くんさえ良かったら、もうちょっと話したいなって思ったんだけど……そしたら帰るの遅くなっちゃうよね」
驚くような様子に断られてしまう気がして、あたしはやっぱりなかったことにしようとした。
だけど、



