「結城くんは? お家、どのへんなの?」
「俺は駅裏の方」
「えっ!?」
流れで何となく聞いてみた。だけど、その受け答えを聞いて声を上げた。
だって……。
「駅裏って、逆方向じゃん!」
そう、駅はあたしの住んでいる所とは真逆の方向。
通っていた中学が違うから、それほど近くではないことは分かっていたけれど……。
「え、いいの!? 逆だよ!? っていうか、結城くんの方が家遠いよね? 送ってもらわなくても、あたしっ……」
さっきまで黙り込んでいたのが嘘のように、焦ってまくし立てるみたいに喋るあたしに、
「そんなこと言ってたら、いつまでたっても一緒に帰れねーじゃん」
結城くんはそう言って、『べ』と舌を見せた。
確かに、そうだ。
家が逆方向とか言ってたら、いつまでたっても一緒に帰れない。
「……送ってもらってもいいの?」
そわそわしながら小さな声で問いかけると、
「俺が好きで送りたいだけだから、気にすんな」
結城くんはそう返事して、再び歩きはじめた。



