『好き』より先に、キミの『彼女』になりました。


教室を出る直前、顔を真っ赤にしながらチラッと茜ちゃんを見ると、『がんばれ』と口パクで伝えられた。

がんばる……けど。

男の子に、はじめて出来た彼氏に掴まれた腕が熱くって、とてもじゃないけど冷静を保てない。

どうしよう、どうしよう、どうしよう。
これから手を繋いで帰る可能性もあるよね……?


……なんて、ドキドキそわそわしていたけれど、階段を降り、下駄箱の前へ着いた途端、掴まれた腕はあっさりと離された。

まあ、そうだよね。
掴まれたままじゃ、靴だって履き替えづらいし……。


緊張したまま靴を履き替え、特に会話もなく並んで学校を出る。

すぐ隣でプラプラと揺れる結城くんの手。

意識すれば、さっき触れられていたところからまた熱くなるような気がして、あたしは肩にかけたカバンの持ち手をきゅっと掴んだ。

そこに、


「姫乃の家ってこっち方面?」

「へっ!?」


急に結城くんに話しかけられて、思わずビクッとする。


「あ、家ね!うん、東区の方だよ!」


あたしが頷くと、「わかった」と再び歩き出す結城くん。