『好き』より先に、キミの『彼女』になりました。



そして、あっという間に放課後。
授業が終わる前から、そわそわしてしょうがなかった。

早くその時が来て欲しいような、もう少し時間が欲しかったような。

あえて結城くんを見ないようにして、勉強道具をカバンにまとめていると、


「姫乃」


隣から声をかけられて、ドキンと鼓動が跳ねた。


「帰る?」

「う、うん……」


相変わらず、何事でもないように素っ気なく言う結城くん。だけど、


「あっれー?おふたりさん、もしかして今日デート?」


すかさずニヤニヤして冷やかしてきたのは、クラスメートのお調子者な男子。


「え、えっと……」

「あー、はいはい。行こう、姫乃」


恥ずかしくって何と返事すればいいのか分からないあたしとは逆に、結城くんはとてもめんどくさそうに返事して、あたしの腕を掴んだ。


その瞬間「ひゅーっ!」なんて、あからさまな冷やかしの声が上がるけど、


て……手!!


クラスメートの声よりも、あたしが気になって仕方ないのは、引っ張られるように掴まれた腕。