「もしかして、ずっと家のお手伝いしてたのって……」
「あー……うん、まぁ、そういうこと。前に一緒に出掛けた時、指輪とか見てたじゃん? だから、そういうのに憧れてんのかなって思って」
少し照れくさそうに、目を逸らして言う望くんのその言葉に、ただでさえあたしの胸はいっぱいになる……のに。
「さすがに家の手伝いくらいじゃ本物は無理だけど、いつか……絶対に渡すから」
「今はそれで勘弁して」と、続けて苦笑する望くんに、あたしはぶんぶんと首を精一杯横に振る。
「我慢とか、とんでもないよっ……こんなことされたら、あたしっ、どうしたらいいのか……」
言いながら、ポロポロと涙が溢れる。
嬉しくてたまらなくて、どうしようもなくて、涙が止まらない。
付き合いはじめた時から、ずっと。
どうして望くんは、こんなにあたしの願いを叶えてくれるんだろう……。
「ありがとうっ!こんな幸せな誕生日、はじめてだよっ……」
公園に誰もいなくて良かった。
わんわんと泣きじゃくるあたしに「大げさ」と笑いながら、望くんが頭を撫でて……。
「でも、菜子なら泣いて喜んでくれるって思ってた。……ありがとう」
あたしの手をぎゅっと握って。
コツンとおでことおでこをぶつけて。
望くんは、嬉しそうに笑った──……。



