「あの、さ……」
過去を振り返って、もの思いにふけっていたあたしを、現実に引き戻したのは望くんの声。
アイスを食べ終わった望くんは、ベンチに置いたスポーツバッグの中から何かを探して、
「ちゃんとしたデートの時に渡すか、ちょっと迷ったんだけど」
あたしの目の前に、縦長の包みを差し出した。
淡いピンクの包装紙に、赤いリボンがとても綺麗に結ばれている。
「え、これって……」
「開けてみて」
望くんの言葉に、そっと手を伸ばして受け取って、リボンを解く。
少し震える指先で、ゆっくりと包みを開いていくと……。
「こ、れっ……」
あたしは片手で、思わず自分の口を覆った。
真っ白いケースを目の前に、何となく予想はしていた。だけど……。
それはお花の形をした、可愛らしいネックレス──。
花の中心には、小さくキラキラと輝く石。
「誕生日おめでとう、菜子」
優しく微笑む望くんに、あたしはどうしたらいいか分からなくて、ふるふると首を横に振る。
だって……。



