『好き』より先に、キミの『彼女』になりました。




「ごめんね、待たせちゃって!」


更衣室で着替えを済ませて外に出ると、上山先輩の言葉通り、あたしを待つ望くんの姿があった。


「ううん、さっきまで西川先輩と話してたから大丈夫」

「隼人先輩と?」

「うん。そろそろ足も大丈夫そうだから、今度練習付き合って欲しいなと思って」

「そうなんだ」


相変わらずサッカー熱心な望くんと、相手に隼人先輩を選んだことに自然と顔が綻ぶ。


一時はライバルというか何というかギクシャクしていたふたりだけど、すっかり元の先輩後輩に戻っていた。

隼人先輩は部活に私情を持ち込まない性格だし、望くんも元々隼人先輩のことを尊敬していたから、何の問題もなく上手くいってる。

あたしに対しても隼人先輩は以前と同じ優しい先輩で、望くんとのことも『仲直り出来て良かった』と、笑ってくれたんだ。



「てか、菜子こそ思ったより早かった」

「あ、うん。上山先輩に今日はいいから帰ってって言われちゃって……」


『プレゼントだと思って』って言っていたけど、更衣室のロッカーの前には、【姫乃さんへ】とメッセージが付いた小さな紙袋が置いてあった。