『好き』より先に、キミの『彼女』になりました。



8月に入り、連日のように猛暑だの酷暑という言葉を聞くけれど、本当にその通り。

もう夕方5時になろうとしているのに、太陽の位置が下がっても、まだまだ暑くて嫌になる。


……でも、頑張らなくちゃ。


グラウンド隅の手洗い場で「よし!」と息を吐き、いつものようにスクイズボトルを洗おうとしている……と、


「姫乃さん!? 何してるの!?」


驚いた声を上げて駆け寄ってきたのは、上山先輩。


「何って、片付けですけど……」

「そういう意味じゃなくって! 今日は先に帰ってって言ったじゃん!」


慌てた様子で言いながら、上山先輩はあたしの手からそれを取り上げる。


夏休みまでと決めていた、サッカー部のマネージャー。
色々と考えた末に、これからも続けていこうと決意した。


夏休み中もこうして部活ばっかりだし、正直全然遊べなくて、思い描いていた高校生活とは違う。

すっかり中学の頃と同じだけど、やっぱりマネージャーが合っているんだって、改めて思った。

サッカー自体も好きだし、真剣に頑張っているみんなの力になれるのは嬉しいし。

それに、上山先輩と一緒にマネージャーの仕事をするのは、ひとりの時とは違って楽しい。