「そうだったんだ……」
『家の手伝い』って、そのことだったんだ。
「だったら始めから、そう教えてくれたら良かったのに」
「やだよ、今どき八百屋とかダサいじゃん」
「そんなことないよ、素敵だよ八百屋さん!今度買い物に行くね」
「……」
なんだかんだ言いながらも、嫌いじゃないんだろうな。
あたしの言葉に少し顔を赤くして、黙り込む望くんにそう思った。
そして、その姿がなんだか可愛くて、あたしはふふっと笑う。
「でも、なんでバイト? 望くん欲しいものでもあるの?」
望くんが家のお手伝いをしている理由は分かった。だけど、バイトなんて意外だった。
お金よりもサッカーをする時間の方が、望くんは大事に思っていそうなのに。
「まぁ……その話はそのうち」
腑に落ちず、首を傾げるあたしの手を引っ張って、望くんは再び歩き出す。
あ、はぐらかされた。
……なんて思うけど、あたしの心に少しの不安も与えないのは、自然と繋がれた手のせい。



