『好き』より先に、キミの『彼女』になりました。




「あと4時間もしないうちに放課後なんだけど!どうしよう、緊張して吐きそう」


昼休憩。もうすぐ12時半を指す黒板真上の壁掛け時計を見ながら、あたしは助けを求めるみたいに声を上げた。


「緊張って、何を今更。ずっと隣にいるじゃん」


ファッション誌をめくりながら、パンを片手にさらりと返事するのは茜ちゃん。


「そうだけど!でも、教室ではほとんど話してないし……」


だんだん小さくなる声で言いながら、あたしはお弁当箱のウインナーを箸で転がす。

結城くんとあたしは隣の席。
授業中はさすがに難しいけれど、授業の合間の休憩時間とか、話そうと思えばいつだって話せる距離……なんだけど。


「みんなジロジロ見てくるし、男子はからかってくるし……」


とてもとても、気軽に話が出来る状況じゃない。


今だって、一緒にお昼食べられたら……なんて、本当は少し期待していたけれど、からかう男子達を適当にあしらいながら、結城くんは食堂へと向かってしまった。

だからこうしていつも通り、茜ちゃんとお昼ご飯を食べているというわけ。