「茉里ちゃんは……本当に望くんのこと、なんとも思ってないんですか?」
中村くんだってああ言っていたし、仲が良いからこそ疑わずにはいられない。
恐る恐るあたしが聞くと、茉里ちゃんはキョトンとした。
「茉里がのぞにぃのこと? ないないない!! のぞにぃは家族みたいなもんだし、初恋の彼女しか眼中にないし、彼女のために嫌だった家のしご……ふがっ」
「余計なこと喋りすぎ」
ペラペラと喋ってくれていた茉里ちゃんの口を、真っ赤な顔をした望くんが手で塞いで止めた。
何やら慌てた様子の望くんに「あー、ごめんごめん」と、茉里ちゃんは軽く謝ったあと、
「とにかくそういうわけで、茉里はのぞにぃのこと、これっぽっちもなんとも思ってませんから!」
あたしに向かってにっこり笑って言うと、「それじゃあ、おばちゃんに怒られちゃうから先に帰るね!」と、あたし達を置いて走り出した。
なんというか、台風みたいな子……。
でも、あんなにスパッと否定してくれると清々しくて、変な不安も吹き飛んでしまった。



