『好き』より先に、キミの『彼女』になりました。



「あたしも……そう思う……」


望くんと付き合ってきた期間は短いけど、それでもよく知ってる。


望くんはいつだってあたしを想ってくれていて、その気持ちに嘘なんて一度もなかった。


だから、保健室で言ってくれた言葉も……キスも、きっと──……。


「っ……」


込み上げてきた熱い気持ちを堪えて、あたしはギュッと両手を握る。


まだ……間に合うかな。
今ならまだ、間に合うよね。


「……あたし、行ってくる。望くんのところに行ってくるっ!」


ペコッと頭を下げて走り出すと、「がんばれ!」と後ろから中村くんと上山先輩の声が聞こえた。



この恋のはじまりは、君が伝えてくれた『好き』からだった。

あの時のあたしは彼氏が欲しいだけで、たぶん誰でも良かった。


だけど……今は違うの。


君と過ごしていくうち、あたしの胸に芽生えた気持ちは、ちゃんと──。



「望くんっ!!」


足をケガしていることもあってか、少し走るとすぐにふたりに追いついた。


「……菜子?」


振り返ってあたしの姿を見るなり、望くんは驚いたように目を見開く。


「あのねっ、話したいことがあるのっ……」


息は切れたまま、呼吸を整えることもせずに、あたしははやる気持ちを抑えきれず、そう口を開いた。