『好き』より先に、キミの『彼女』になりました。



「俺も誰だか知らないけど、このままじゃあの子に取られちゃうかもね」


突然降ってきた声に、顔を上げる。

すると、あたしの目の前に立っていたのは……中村くん。


「俺の勝手な勘だけど、女の子の方ちょっと結城に気がありそうだったし、あーゆー押しの強い妹タイプに男って弱いからなぁ」

「え……」


女の子にモテモテの中村くんが言うと説得力ありまくりで、ショックを受けずにはいられない。

やっぱり……と、一度上げた顔をまた下げようとすると、


「でも、今はまだ違うと思う」


中村くんは優しく微笑んで、あたしに言った。


「姫乃ちゃんは結城がケガしたの、いつだか知ってる?」

「ううん……」

「一昨日。姫乃ちゃんに冷たい態度とった後、あいつすっごい後悔してて。結構荒れてて危なっかしいから止めといた方がいいと思ったんだけど、部活終わってからも練習するって言ってヘマしちゃってさ」


「すぐ態度に出ちゃって、ほんとバカだよな」と、中村くんは苦笑する。


「でも、そんなバカ正直だから、あいつの言葉や行動に嘘はないと思うよ」

「……」


望くんの言葉や行動に、嘘はない……。

その言葉はあたしの胸に、驚くほど真っ直ぐストンと落ちた。