「やっぱりそうだ! おーい、ふたりともー!」
あたしの隣で、ぶんぶんと手を大きく振る上山先輩。すると当然、ふたりは足を止め、振り返る。
「っ……」
望くんと真っ直ぐ視線がぶつかって、ドキンと鼓動が跳ねた……その瞬間。
「のぞにい!」
あたしでも、上山先輩でもない、高くて可愛らしい声が突然響いた。
その声の主……校門の陰からひょこっと姿を現したのは、赤いリボンのセーラー服の女の子。
高い位置で結われたポニーテール。少し幼げな印象と、どこかで見たことのあるような気のする制服。
中学生……?
「茉里(まり)!? なんで」
「今から行くっておばちゃんに連絡したら、のぞにい捕まえてきてって言われて」
あたしがそんなことを考えていると、あっという間にその子は駆け寄ってきて、望くんの目の前に立った。そして、
「ほら、早く帰んないとおばちゃんに怒られちゃうよ」
望くんの手を取り、ぐいぐいと引っ張っている。



