『好き』より先に、キミの『彼女』になりました。



『あの、さ……』


ゆっくりと唇が離れた後、望くんは何かをあたしに告げようとした。

だけどそのタイミングで、突き指をしたというバスケ部の男子が入ってきて、続きを聞くことは叶わなかった。


あの時、望くんは何を言おうとしたんだろう……。

『諦められなくなる』と言われて、キスまでされて、期待するなっていう方が難しい。


このまま先に帰ってしまって、何もなかったことになってしまったらと考えると怖くて、その後も何だかんだで残らせてもらったのだけど、結局あれから望くんとは話せずじまい。

だから、上山先輩の言う通り、待っていてくれたらいいなって思うけど──……。




「あれー? 今日は約束してなかったの? ……っていうかもしかして、私が着替え付き合わせちゃったから!?」


上山先輩と女子更衣室を出ると、そこには期待していた人の姿はなかった。


「じゃなくて、約束してないって言ったじゃないですか」


あたしは何でもないフリをしながら苦笑して、パタンとドアを閉める。