『好き』より先に、キミの『彼女』になりました。



「失礼しま……す……」

「ほら、だから言ったのに」


望くんの他に休んでいる人がいるかもしれなくて、出来るだけ静かに戸口を開けた。

すると昨日あたしが座っていた丸椅子に腰掛ける望くんと、その向かいには呆れた顔をする先生の姿。


「あれ? 姫乃さんどうしたの? 体調悪くなった?」

「いえ、そうじゃなくて……」


あたしに気付いた先生が声をかけてくれ、ぶんぶんと首を横に振る。

ていうか、昨日の熱もそうだし、捻挫した時にもお世話になってしまい、すっかり先生に名前を覚えられてしまったらしい。


「あ、そっか。姫乃さんサッカー部のマネージャーだったよね。姫乃さんからも言ったげて。無理しちゃ意味ないでしょって」


ここにあたしが来た理由を説明する前に察したようで、先生はため息混じりに告げた。
その口ぶりは、望くんの怪我のことを知っていたみたい。


そういえば昨日、望くんに『大丈夫?』って聞いていたっけ。

じゃあ、あの時よりも前に……?


「とりあえずテーピングを……」


言いかけた先生は、突然ピタッと固まる。

どうしたんだろう……と、思った次の瞬間、