『好き』より先に、キミの『彼女』になりました。


部活に顔を出すからには、ひと言でもいいから望くんと話せたらいいなって思っていた。

でも、こんな形で……なんて思いもしなかった。


あたしが足を止めたのは、保健室の前。

隼人先輩からの頼まれごとは、望くんの様子を見てくることだった。


『足の具合にもよるけど、今日は早退してもいいからって伝えて。あとあいつ、かなり落ち込んでるように見えたから』

『姫乃さんが行ったら、元気出ちゃうかもしれないもんね! もともと今日は私がこっちのことやる予定だったし、行って行って!』


隣で話を聞いていた、私達が別れたなんて知らない上山先輩にも背中を押され、半ば強制的にここまで来たけど……。


あたしなんかが来て良かったのかな。

迷惑なんじゃないか、また突き放されるんじゃないかって、不安になる。だけど……。


呼吸を整えた後、戸口に手を伸ばした。


きっと何だかんだ言っても、隼人先輩や上山先輩に言われなくても、あたしはここまで来ていたと思う。

だって、望くんのことを放っておけない──。