「の……」
「望」
とてもじゃないけど放っておけなくて、声をかけようとしたけど、先に望くんに声をかけたのは隼人先輩だった。
「足、痛み出てんだろ。とりあえず保健室行ってこい」
ポンッと望くんの背中を軽く叩く先輩。
「……誰が言ったんですか、足のこと」
「誰が……って、誰も言ってない。俺も先生も、昨日の練習の時点でおかしいと思ってた。 何でそんな無理してまで……」
先輩の言葉の途中で、望くんは振り払うようにクルッと背を向けた。
そしてそのまま、グラウンドを出ていく。
望くんどうしちゃったんだろう。
大丈夫かな……。
いつもの様子とは違って、ひどく落ち込んでいるようにも見えて、遠ざかっていく背中を眉をハの字にして見つめていると、目が合ったのは隼人先輩。
「ひめちゃん来てくれたんだ。 体調は? 大丈夫?」
「あっ、はい! 昨日はお休みしてしまってごめんなさい」
ゆっくりと歩み寄ってきた隼人先輩に、ペコリと頭を下げる。すると「ううん」と隼人先輩は首を横に振って、
「制服……ってことは、今日は顔だしてくれただけかな? もし時間があったら、ちょっと頼まれごとしてほしいんだけど」
微笑んで、そう言ってきた。



