「……」
あたしを見上げる結城くんは、目をまん丸にして固まっていた。
あ、あれ……?
「結城くん……?」
「今、なんつった?」
「え、あ、結城くんに会いに……」
「マジで?」
「う、うん」
あたしがこくんと頷くと、結城くんは手のひらを顔に当てた。そして、
「なんだよ。心配して損した」
小さくそう呟く。
心配……って、なんだろう。
結城くんの呟いた言葉の意味がわからなくて、じっと彼を見つめるけれど、
「じゃあ教室行こう」
理由を告げることなく、結城くんは階段を登り始めた。
「でもさ、教室で会えるのになんで?」
「や、特に理由はないんだけど、彼女っぽいかな……って」
「は、なんだそれ」
フッと息を吐いた音が聞こえて隣を見ると、結城くんは苦笑していた。
「姫乃らしいな」
「うっ……」
付け加えられた言葉に、顔を赤くして俯く。
彼女っぽいかな……って、よく考えてみればアホみたいで恥ずかしい。
でも……。



