『好き』より先に、キミの『彼女』になりました。


朝登校してきた時に、一度ちらっとこっちを見てくれた……ような気がした。

でもそれだけで、ひと言も言葉を交わすことは出来なかった。


そしてもう……放課後。


同じクラスっていうのは変わらないのに、席が隣から離れただけで、なかなか話せない。

スマホからも連絡が取れないわけじゃないけど、嫌われたわけじゃないって完全に払拭できたわけじゃなくて、怖い。


「部活は?」

「上山先輩が心配してくれて、気にしなくていいから今日は休んでって……」


大丈夫といえば、大丈夫。
むしろ部活に出たいくらい。

でも、こんな鼻詰まりなあたしが出ていったって、きっと上山先輩に気を遣わせるだけ。
だからお言葉に甘えて、今日は休ませてもらうことにした……の、だけど。


夏休みまで、あと一週間ほど。


「あとちょっとだから、マネージャー頑張りたかったんだけどな……」


せっかく最後まで部活に出るって決めたのに、早々に出鼻をくじかれた感じにため息をつく。


あれ……でも、出ちゃダメかな?
少し様子を見に行くくらいなら、いいんじゃない……?


「え、何、どうしたの?」


スクッと身体を起こし、立ち上がったあたしに、茜ちゃんがびっくりした声を上げる。


「……やっぱり部活、行ってくる」