【銀行に行ってるから、もう少し待ってて】
ママから届いたメッセージに、うさぎのキャラクターが『ごめんなさい』と謝るスタンプを返す。
スマホを持つ手をポトっと身体の横に落とせば、目に映るのは真っ白な天井。
「迎えが来るまで横になってなさい」と言ってくれた先生の言葉に甘えて、あたしは保健室のベッドを借りていた。
この前は捻挫して、今日は熱が出て、最近ママに迷惑かけっぱなし……。
また迎えに来させることに少し罪悪感を感じつつ、でも身体もしんどくて、片腕を額の上に乗せる。すると、
「姫乃さん? 先生ちょっと職員室に行ってくるけど大丈夫?」
カーテンを遠慮がちにほんの少しだけ開けて、覗いてきたのは先生。
「あ、はい。大丈夫です」
「ごめんね、すぐ戻ってくるから」
そう言って微笑むと、先生はカーテンを締め直し、そのまま保健室を出て行く音が聞こえた。
保健室に先客はおらず、あたしはひとり。
他に誰もいないと思うと急に気が抜けて、「はぁ……」と、ため息がこぼれる。
考えるのは……望くんのこと。



