保健室……って。
「え……」
頭の回らないあたしの手を引いて、スタスタと歩き出す望くん。
「今日ずっと調子悪そうだったろ。ていうか、熱あるし」
「熱?」
「気付いてない? 身体、すごく熱かったけど」
「えっ……」
指摘されて思い出すのは、さっき望くんと密着していた身体。
そういえば今も、手を握られているわけで……。
「ごめん、歩くの早かった? てか、しんどい?」
急に足を止めかけたあたしに、望くんが優しく問いかける。
「う、ううんっ、大丈夫……」
あたしは真っ赤になる顔を俯かせ、そう返事をするのが精一杯だった。
さっき抱きとめられたのも、今手を握ってくれているのも、あたしの体調が悪いから。
あたしのことなんて嫌いだけど、クラスメートとして仕方なく……っていうのは分かってる。
分かってる……のに。
「……ずるいよ」
あたしは望くんに聞こえないように、小さく呟いた。
嫌いなら、こんなに優しくしないで──……。



