『好き』より先に、キミの『彼女』になりました。


そもそもこんな日に限って日直なんてツイてない……けど、こればっかりは仕方ない。

あたしは一度ノートを抱えなおしてから歩き出す。


クラス全員分、きっちり40冊のノート。
いつもより随分重く感じてしまうのは、体調があまり良くないからかな……。

それが影響したのか分からない。
足取りも自然と重くなって遅くなってしまっていたようで──。


「急げ急げ! 時間ないよ!」

「えー、待ってー」


ジュースを抱えた他のクラスの女子達が、小走りであたしの横を通り過ぎた。


あれ? もう授業始まるの?

廊下に時計なんかなく、両手も塞がっているからスマホを取り出すことも出来ない。


時間を確認する術がないあたしは、とりあえず急ごうとする。

だけど、その瞬間──。


ぐらっと視界が歪んで、全身の力が突然抜けた。


バサバサバサッと音を立て、あたしの腕から滑り落ち、散らばるノート。

あたしも床に倒れた……はずが、これっぽっちも痛くない。