「望くんも……おめでとう」
スタメンではなくベンチだけど、このベンチにはとても大きな意味がある。
もしかしたら試合に出れる可能性だってあるし、何より今後期待されているということ。
「良かったね……」
その言葉は自然に、あふれるようにこぼれた。
本当に本当に、良かったと思う。
望くんの努力がちゃんと認められていて、本当に良かった。安心した。
だから……望くんも、きっと『ありがとう』って返してくれると思っていた。
だけど──。
「……部長に、呼ばれてなかった?」
「え?」
「さっき、部長に話しかけられてるように見えたけど」
思っていたのと違って、冷たい望くんの瞳。
「あ……うん、これからスコア取って欲しいって頼まれて」
「だったらそっち行けば」
「っ……」
それは、瞳だけじゃない。
とても冷たく突き放された言葉に、私は大きく目を見開く。そして、
「ご、ごめんっ……」
慌てて目を逸らし、片足を一歩後ろに引けば、ジャリッと砂の音がした。



