『好き』より先に、キミの『彼女』になりました。




「はい、いつものやつ」

「あ、ありがとうございます」


隼人先輩が私を連れてきたのは部室。

ちょっと待っててと言われ、ムワッとした室内が少しでも涼しくなるように窓を開けていると、先輩はジュースを抱えて戻ってきた。


手渡されたのは紙パックのイチゴオレ。
それはあたしがいつも飲んでいる、好きなもの。

「お金……」と言ってポケットからコインケースを取り出そうとすると、「いいよ」と断られてしまった。


「とりあえず、座ろ」


フッと微笑んでから先輩は、ロッカーベンチに腰を下ろす。

あたしも……少し躊躇いながら、隼人先輩の隣にちょこんと座った。


両手で包み込むようにいちごオレを持つと、ひんやりして気持ちいい。

だけどそんな感触的な気持ち良さとは対照的に、緊張してドクンドクンとうるさい心臓。


今日は部活はないわけで、きっとここに来る人は他にいない。

あたし達以外誰も来ない場所に連れてきたのは、これから話そうとしていることを先輩が分かっているから……?