『好き』より先に、キミの『彼女』になりました。



「菜子は分かってたけど、告った相手の連絡先聞いてないとか、結城くんも結構抜けてんのね」


茜ちゃんと喋りながら、そのまま教室へと向かった。


結城くんと付き合うことにしたことといい、連絡先を聞いていなかったことといい、かなり責められると覚悟していたけれど、今日の茜ちゃんは思ったよりもあっさりしていた。


記念日デートの約束をして、機嫌がいいから……かな?


「でもさ、そんなんで本当に大丈夫? 遊ばれたりしてない?」

「え……」


茜ちゃんの問いかけに、ピタッと足を止める。

遊ばれてる……?


「いやいや、大丈夫だよ!ちゃんと確認したもん、罰ゲームとかじゃない?って!」

「そしたら?」

「あ、あたしのこと……ほんとに好きだって」


自分の発言じゃない。なのに、思い出したら恥ずかしくなって、ゴニョゴニョと言葉を濁す。すると、


「ふーん……」


茜ちゃんは何か言いたげな顔をしながらも、そのまま口を閉じた。


「え、なに!? 茜ちゃんは遊びだと思う!?」

「そういうわけじゃないけど……」


茜ちゃんの反応に、急に不安になってきて腕を掴むと、