手を伸ばせば触れられるところにいたのに。
実際、手を繋いで、抱きしめ合ったこともあったのに……。
距離を置こうと言われた言葉の通り、望くんは遠くなっていく一方で。
そしてそれは、物理的な距離だけじゃなく──……。
「はぁー……今回ちょっとやばいかもしれない。菜子はどうだった?」
「んー、ぼちぼちって感じかな」
「えっ、マジで言ってんの!?」
「一緒に帰ろう」と、あたしの席にやってきた茜ちゃんは、びっくりした様子で目を丸くする。
何がぼちぼちかと言うと、期末テストの出来の話。
あれから一週間と少し。
数日間に渡って行われた期末テストは、やっと今日終わりを迎えた。
「そんな驚かなくてもいいじゃん」
「だって菜子、中間の時とか死にそうな顔してうなだれてたのに……」
「今回はちゃんと勉強したの!」
「えっ、菜子が?」
信じられないといった顔をして、あたしを見つめる茜ちゃん。挙げ句の果てには「熱でもあるの?」と、額に手まで当ててきた。



