『好き』より先に、キミの『彼女』になりました。



神様さえも、距離を置いた方がいいって言っているんだろうか……。

普段、神様なんて都合の良い時しか信じていないけど、このタイミングで席替えなんて、嫌でもそんな風に思ってしまう。


クラスメートの発言通り、朝のホームルームでクジ引きによる席替えが行われた。

望くんともう一度同じ席に……なんて、なれるはずがなく、あたしは廊下側の席で、望くんは窓際。

ここぞとばかりに離れてしまった距離に、これからどうしたらいいのか益々分からなくなる。

隣の席のままだったら、何だかんだで話せるチャンスもきっとあったのに……。


動かし終えた席に着きながら、ちらりと望くんの方を見ると、頬杖をついて窓の外を見ていた。


望くんは何を考えているのかな……。

移動する間際も、ひと言も言葉を交わさなかった。


「姫乃さん、彼氏と離れたからってそんな悲しそうな顔すんなよ〜!」

「えっ、いや、そんなんじゃ……!」


すぐ近くの男子にからかわれて、パッと顔を逸らす。

今の、望くんに聞こえていないかな……って心配になったけど、距離がありすぎて聞こえていないようだった。

それもそれで寂しい……とか。