『好き』より先に、キミの『彼女』になりました。


「えーっ!いいなぁ!!」


あたしも思わず、茜ちゃんの方へと身を乗り出して返事する。

記念日にテーマパークとか、そんなの憧れすぎる。


「茜ちゃんほんと羨ましい……」


上履きに片足を突っ込みながら、素直に感情を吐き出すと、


「羨ましいって、菜子は? 昨日あれから結城くんと通話とかしたの?」

「へっ……!?」


首を傾げ、思っていたよりあっさり聞いて来た茜ちゃんに、あたしはビクッとして顔を引きつらせる。


「へっ?……って、してないの?」

「う、うん……」

「何で? やっぱり付き合うのやめようと思って?」

「いや、そうじゃなくて……。実は、連絡先を知らなかった……っていうか……」

「はぁっ!?」


茜ちゃんの反応は、予想していた正にその通り。


「聞かなかったの? 聞かれなかったの?」

「……両方」


あたしの返事に呆れた顔をする茜ちゃんに、「あはは」と、乾いた笑いを返す他ない。