『好き』より先に、キミの『彼女』になりました。


頭の中で、自分でも意味の分からないことを必死に考える。だけど……。


「菜子は、俺のこと好きじゃないだろ」

「え……?」


寂しそうに微笑んで、静かに告げた望くん。


「もういいから。このまま付き合ってても、どのみちダメになるって分かってるから」

「……」


真っ直ぐ目を見て言われた言葉に、息を止める。

だって、どうしてそんなこと言うの……?


まるで心臓をナイフで突かれたみたい。
息苦しくて、声も出せない。


「いきなり呼び出してごめん。話はそれだけだから」


「じゃあ」とひと言続けて、望くんはあたしの横を通り過ぎる。


「……って」


──待って。違う、違う、ちがう!


心の中のあたしが必死に叫んでいるのに、上手く声に出せない。

まるで金縛りにでも遭ったかのように、身体も動いてくれなくて。


次第に遠のいてゆく足音。

あっという間に望くんの気配は感じられなくなって、公園にはあたしだけがポツンと取り残された。