「なんで菜子が泣くの」
「だってぇ……茜ちゃんと話せなくて、寂しかったんだもん」
「……はいはい。お腹空いてるから情緒不安定になってるんでしょ。ほら、とりあえず何か食べなよ」
何だか少し恥ずかしそうな顔をした茜ちゃんは、話を逸らすようにあたしの前にメニューを広げる。
情緒不安定なんかじゃない……けど、オムライスにハンバーグにパスタ、ずらりと並んだ美味しそうな写真が目に入るなり、「ぐぅ」とお腹が鳴った。
情けないけどお昼ご飯はまだで、しかも部活終わりで、正直お腹はすごく空いている。
こうして仲直り出来たことで緊張も解けて、そーっとメニューを手に取ると、茜ちゃんはクスッと笑った。そして、
「私も菜子と話せなくて寂しかったよ」
小さく呟いてくれた声は、メニューを選ぶのに必死で聞こえなかった。



