今さら好きだなんて、言われても困る。
だから断ろうとした、のに……隼人先輩に告白した時と今、自分の気持ちに違いがあるのか問われて分からなくなった。
先輩への気持ちは、今も何も変わっていない。
じゃあ、あたしはまだ隼人先輩のことが好きってことなのか……。
だとしたら、このまま望くんと付き合っていていいのかも、不安になってきてしまった。
「……そんなこと、ないと思うけど」
視線を膝の上へと落として俯くと、茜ちゃんから降ってきた声。
「菜子は自分の気持ち、ちゃんと分かってると思うよ。私が具体的なことを言うわけにはいかないけど、見てたら分かる」
「え……」
「もう一回、冷静になって考えてみたら」
もう一回、冷静に……。
「……って、わかんないから悩んでるんだけど」
「菜子って結構鈍いもんね」
「茜ちゃ……」
テーブルにうな垂れて、いつもの調子で唇を尖らせようとして、ハッとする。
あ、今、茜ちゃんと普段通り話せてる……。
「っ……」
「菜子?」
「や、ごめん……茜ちゃんに嫌われちゃったと思ってたから……」
自分の恋の相談をしている場合じゃない。
とにかく茜ちゃんとまたこうして話せていることが嬉しくて、目に込み上げてきた感情を手で拭う。



