『好き』より先に、キミの『彼女』になりました。


「お昼まだなんでしょ? 何か頼む?」


そうメニューを差し出してくれた茜ちゃんに、あたしは向かいの席へと座りながら、ふるふると首を横に振る。

ご飯なんてとても食べていられる状況じゃない。今はそれよりも……。


「話って……なに?」


突然、電話をかけてきた茜ちゃん。

電話に出ると『今日部活だった? ごめん』と謝られ、『話したいことがあるから、会って話したかったんだけど……』と告げられ、急いでここまで走ってきた。

じっと息を飲んで見つめるあたしに、茜ちゃんは少し困ったような顔をしてから、


「舞花から聞いたの。学校で私の悪口になりそうだった時、菜子が止めてくれたって。喧嘩の理由は分からないけど、許してあげなよって言われた」

「え……」


舞花ちゃんが仲介に入ってくれていたなんて知らなくて、目を丸くするあたしに、


「違うの……。許すも何も、菜子に怒ってたんじゃないの。本当はただの自己嫌悪」


茜ちゃんは物寂しげな笑顔を浮かべて、再び口を開いた。