『好き』より先に、キミの『彼女』になりました。


ぐっと詰まって、動かない体に振り返る。

すると、望くんがあたしの腕を掴んでいた。


「え……」

「あ、ごめん……」


びっくりしたあたしが声を漏らすと、望くんはハッとした様子で手を離す。


「う、うん……じゃあね」


……と、言いながらも、後ろ髪を引かれる思いに、足が動かない。

ハッキリとした理由は分からないけど、何となく行ってはいけないような気がした。でも……。


「ひめちゃん」

「はいっ……!」


先輩に急かされて、やっと「バイバイ」と手を振ったあたしは、今度こそ本当に望くんに背を向けた。


すぐそこで待っていた先生の話は、上山先輩が戻ってからも、このままマネージャーを続投しないかという話だった。

こんなあたしでも必要としてくれるのは、とても嬉しい。

だけど、高校では部活に入らないと決めていた手前、これから3年間マネージャーをやる踏ん切りは、どうしてもつかない。

ひとまず、とりあえずは代理という形で終わらせて欲しいと先生に説明した。