仕方ないけれど、正直少しがっかり。
「はぁ」と、小さくため息を再度ついて、ごろんと寝返りをうつ。
でも……彼氏が出来たんだ。
彼氏いない歴16年だったあたしにも、とうとう彼氏が。
教室で、それから階段の踊り場で告白されたことを思い出すと、思わず顔がニヤける。
今日は残念だったけど、また今度一緒に帰れればいいか。
だってあたし達、付き合っているんだから。
部活って毎日あるのかな……?
『お疲れ様』のメッセージと一緒に、結城くんに聞いてみようかなと思って、ポケットからスマホを取り出す。
そして、アプリを開いて結城くんの名前を探す……けれど。
「あ、あれっ!?」
あたしはバッと勢いよく身体を起こした。
──結城くんの連絡先とか、知らない!!