『好き』より先に、キミの『彼女』になりました。



はっきりさせようと動いたのはあたし。
なのに、いざ隼人先輩の気持ちを知ると、どうしたらいいのか分からなくなった。


結局、先輩に返事する余裕もなく、逃げるように望くんを追いかけたけど、引き止めて何て言えばいいのかも分からず、モタモタしているうちに、望くんは教室へと戻ってしまっていた。

隣の席といえど、もちろんこんな話……出来るわけもなく、ひと言も言葉を交わさないまま、放課後──。



「ひめちゃん、それ終わったらスコアの記録してくれる?」


いつものようにスクイズボトルを運んでいると、隼人先輩に声をかけられて、ビクッと肩が跳ねた。


「あっ、はい……」

「ごめんね、よろしく」


ニコッと微笑んで背を向ける先輩は、あくまでいつも通り。部活に私情を持ち込まないといった感じ。

それに対して意識してしまって、嫌でも顔が赤くなる自分にうんざりする。

先輩はすごい……なんであんなに平然としていられるんだろう。
それに比べてあたしは……。