隼人先輩は、やっぱり年上で気が効くな……って、反対側の体育館横まで誘導されながら思った。
グラウンド側のこっちには、今の時間帯はほとんど人が来ない。
「大丈夫?」
「はい……すみません」
足を止めた先輩は、心配そうに声をかけてくれて返事するけど……大丈夫と言いながら、本当は全然大丈夫じゃない。
こんな顔してたら、先輩が責任を感じてしまう。
平気なフリをしなきゃいけないのに、どうして……人って優しくされると、涙が出てきてしまうんだろう。
「っ……」
堪えきれず息を漏らしたあたしに、
「何もなかったって言ってたけど、やっぱり友達と何かあったんだよね? 俺が遊んでるところを邪魔したから……」
ほら、あたしのせいで。
責任を感じてしまっている様子の先輩に、ぶんぶんと首を横に振る。
「違うんです、先輩のせいじゃないんですっ……」
あたしが茜ちゃんに嫌われてしまった理由。
それは先輩のせいじゃなく、あたしがハッキリしないから。



